少年の非行や事故を防ぐには

【少年の非行】
 次代を担う子どもたちが明るく健やかに育つことは、国民すべての願いです。
 そのために、まず大事なのは家庭です。
 そして、社会のルールを身につけ、悪を抑さえ、自己の行動に責任をもつ、『良き社会人』として育てていくための家庭における教育が とても大事です。そこには、子どもにとって家庭の環境がよくなくてはなりません。
 子どもの非行を防ぐには、初期の段階で非行を早く発見して適切な措置をとることが、大切です。さらに、自分の子どもも非行に走らないように、おたがいが、見守っていくことが必要です。


 家庭の在り方
▽ 家庭にあっては、お互いに気軽に話し合えるような関係をつくる。
▽ 厳格、その反対に放任は、ほどほどにする。
▽ 親の欲や願望をもとに、能力以上のことを子どもに求めたり、勉強を押しつけたりしない。
▽ 欠点だけに目を向けず、長所を見つけてほめてやる。
▽ 学校とは、できるだけよく連絡をとりあう。
▽ 非行のきざしは早いうちに、そのつど諭す。
         
 愛のひと声運動
 「愛のひと声運動」を地域ぐるみで展開し、次のようむ少年を見かけたら、やさしく「ひと声」かけて指導しましょう。
▽ 学校や職場をズル休みして、盛り場をうろついている少年。
▽ 酒を飲んだり、タバコを吸ったりしている少年。
▽ 少年の出入りのふさわしくないような遊技施設での遊びや夜遊びしている少年。
▽ 本屋などで、いかがわしい本を立ち読みしている少年。
▽ そのほか、よくない行いや悪いいたずら、あぶない遊びをしている少年。
         
【非行のきざし
 少年が非行に走るときには、いろいろの兆候があらわれるものです。
 次のようなことに気がついたときは注意しましょう。
 非行がすすんだり、親の手におえないと思ったら、早目に警察、学校の先生、
少年補導センターに相談することを、おすすめします。

○ 金づかいが荒く、金をせびったり、持ち出したり、つり銭などをごまかす。
○ いつもイライラして、親や家族の者に乱暴したり、口答えをする。
○ 行き先もいわず外出したり、帰宅時間が不規則で、夜遊びや外泊が多い。
○ 理由をつけては、学校や勤めなどから遅く帰る。
○ 学校へ行くのを嫌がり、成績も急にさがる。
○ カバンや紙袋に、着替えなどを入れて持ち歩く。
○ シンナーなどを隠し持っていたり、衣服や吐く息に揮発性のニオイがする。
○ 買い与えた覚えのない衣類や同じ品物をたくさん持っている。
○ 刃物や木刀、ヌンチャク(空手の用具)などの凶器類を持ち歩く。
○ オートバイや単に夢中になり、夜間や週末などには集団で、騒音を立てて乗り回す。
○ マージャンやパチンコ、競輪、競馬などに異常な関心を示す。
○ 不良じみた友だちや暴力団風の者が尋ねてきたり、コソコソと電話をかける。
○ 酒のにおいやたばこのにおいをさせたり、ポケットにタバコカスが残っていたり、ライターを持ち歩く。
○ 服装、化粧が変わる。
 ▽ ことさら流行をおった派手なシャツやズボンを身につける。
 ▽ 学生服をきらい、極端に流行をおった髪型をする。
 ▽ 女子学生が規定外のスカートを身につけ、ピアス、アイシャドウ、口紅、マニキュアなどの化粧をする。
 ▽ 髪を金色や茶色に染めている。
                   
【万引き】
 万引きをして補導される少年が少なくありません。
 万引きは、少年たちの間でまねされやすく、集団での遊びのような形に発展するおそれがあります。しかも、万引きは、非行や犯罪の入
り口としての性格をもっています。それだけに、初期の段階できちんと善悪のケジメをつけておくことが大事となります。

○ 「万引きは犯罪である」ことをしっかり教える。
○ 集団での万引きが多いので、友人関係での言動に十分注意する。
○ 子どもの持ち物(特に衣類、文房具、化
粧品、菓子類)に気をつける。買い与えた覚えのない衣類や品物を持っていたら確かめる。
         
             

【刃物を持ち歩かない】
○「持つな 頼るな 強くなれ」
 正当な理由なくバタフライ・ナイフなどの刃物を持ち歩くことは犯罪だと、少年に教えましょう。

【いじめ】
 地域や学校で、いわゆるいじめ″が跡を絶ちません。いじめを苦にした痛ましい自殺事案も発生しております。
 「いじめ」を皆で協力し合ってなくしていくべき問題としてとらえ、解決に取り組みましょう。

 いじめの態様

▽ 皆で 口をきかない″無視する″遊ばない″などを申し合わせて、仲間はずれにする。
▽ 持ち物を隠したり、壊したり、いやがらせをする。
▽ 言葉づかいや服装、身体的特徴などをとらえて、執拗にからかったりののしる。
▽ 金や品物を持って来るよう強要する。
 いじめをなくすために
▽ いじめの行為が相手をどれだけ苦しめ、心を傷つけるかを教え、日ごろから、他人を思いやる優しい心を育てる。
▽ いじめられてしても仕返しをおそれて一人で悩み苦しんでいるケースは多い。日ごろから親子で何でも話し合える雰囲気づくりに心がける。
▽ 芽のうちに摘む−子どものいじめを知ったら、早いうちに学校、警察などに相談する。
             

 少年を暴力団から守ろう
 暴力団は、組織を維持あるいは拡大するため、暴走族仲間や学校の先輩、後輩の関係を利用したり、繁華街などで積極かつ執拗に声をかけたりするなどの方法で、少年を暴力団に引き入れようと狙っています。
 また、暴力団は、シンナー、覚せい剤の密売や少女売春など、少年の福祉を著しく害する犯罪に深くかかわり、そこから大きな利益を得ています。

 こんな兆候には注意してください。
▽ 行く先を言わずに外出したり、帰宅時間が不規則で遅く、夜遊びや外泊が多い。
▽ 言葉づかいが悪くなり、平気でウソをついたり、落ち着きがなく、家族との対話を避ける。ささいなことで怒るようになった。
▽ コトバ使い、服装、電話での応対などから見て、友だちの層が変わって、いわゆる柄が悪くなる。
             
※ 警察には、電話相談コーナーが設置されています。どんな小さなことでも気軽に相談して下さい。